新宿ニコンサロンで、谷井 隆太展 [ものみゆさん]を見てきました。
作者の谷井隆太さんともたくさんお話をさせていただきました。
とても気持ちのよい写真展でしたよ。

本作品のタイトルとなっている「ものみゆさん」は、漢字で書くと「物見遊山」と書きます。
戦前の方々が使っていた言葉だそうです。
会場に入ると、まず多くの人が写っていることが目に留まりました。
行楽地で各々が楽しむ姿。
DMに使われている動物園の写真も、6組ほどの人たちが行楽を楽しんでいる様子が切り取られています。
1組ずつよく見てみると、その姿がほほえましくもあり、またすこし面白くもあり。
この雰囲気が、日常の姿なのだなとしみじみ思います。
しかし、このご時世、街中で人を写すことに抵抗感をもってしまうことが多いので、やはり肖像権について気になってしまいました。
実際、展示会場でも作者の谷井隆太さんに、肖像権について聞く人が何人もいました。
私も、街中でのスナップを撮影していて、作品づくりをしています。
私の写真は、谷井隆太さんの「ものみゆさん」や前作の「えきすとら」のように、多数の人が写っているのではなく親子などの単位を意図的に撮影しているので、さらに肖像権の問題が厳しくなります。
先日、某雑誌社へ持ち込みに行ったときも、最近は肖像権が厳しいので、日本国内でのスナップはとても取り扱いが難しいといわれました。
しかし、谷井隆太さんの「ものみゆさん」や「えきすとら」のように、街中で撮影することによる空気感は、とても大切なのではないでしょうか。
谷井隆太さんとも話していたのですが、今の肖像権に対する恐怖感は、製作者側が自分で作り上げてしまった虚像なのかもしれないですね。
街中を闊歩する人の変顔を貶すことを目的に、意図的に写真を撮影する。
こんなことは許されることではないと思います。
しかし、それと同線上でストリートスナップを考えてしまっている感があります。
キャンデッドフォト
(
Candid Photo)と呼ばれるジャンルに入るであろう、この撮り方。
われわれは被写体となる方々を迫害する気持ちでいるのでない限りは、恐れずにそして堂々と、制作をするべきではないでしょうか。
そしてその作品が、文化的社会的に意義のある情報として。
後世に、今の日本のライフスタイルを伝えるべく、作品を作るべきだと思います。
ちょっと難しい話をしてしまいましたが、谷井隆太さんの「ものみゆさん」は、人々の行楽をすごす姿。
日常を、いとおしく楽しむ姿がとても気持ちよく切り取られました。
日常って、やっぱりいいですね。
谷井 隆太展 [ものみゆさん]12/16 (火)~12/29 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休
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鶴羽佳秀
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